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「歌うクジラ」 村上龍著

1997年に刊行された、村上龍のサイコサスペンス作品「イン・ザ・ミソ・スープ」

夜の歌舞伎町を舞台に、主人公ケンジの目の前で奇妙なアメリカ人フランクが凄惨な殺戮を繰り広げていくストーリー。

その小説が連載されていたころ、神戸で少年A事件が起き、連載元の読売新聞にもクレームが殺到したそうで。

龍氏はこの作品の中で、人間の心底に潜む残虐性とともに、日本人のメンタリティ、

特に危機感の無さにも警鐘を鳴らしていたように感じる。

今、龍氏の昨年10月に発行された、「歌うクジラ」を読み終えた。

この作品は、「群像」に於いて、2006年3月号から2010年3月まで連載されていた作品。

が、故に、当然のことながら2011年3月11日の「東北大震災」後の状況については描かれていない。

はずなのに、震災後の向かっていく日本の方向性の輪郭がぼんやりと感じてしまう。

100年後の世界を龍氏の想像力で描いているが、徹底的に管理された世界。

2003年に、北陸地方の山間部に白装束をまとった集団が現れ、話題をさらいましたが、

龍氏は、彼らのことを、「自由よりも管理されたほうが楽な集団」というようなニュアンスのことを語っていた記憶があります。

確かに、「自由」というと伸び伸びと生きていける反面、責任を負わなければなりません、

が「管理」されることは、リスクも少なくノンプレッシャーであり、その部分を重要視してしまう

集団であったのかも。

これは、サラリーマンにも当てはまるのでは。

自営でリスクを背負うよりも、閉塞感であろうが、劣等感であろうが、まずはセイカツしてゆかねば。

この小説の中では、上層、中層、下層に区分けされた理想社会をアキラは旅する。

どの層に属せるのかは、血筋と共に本人の努力と欲求の乗算なのだろうか。

個人的には、ところどころに散りばめられた、アキラの欲求(性と生)。

サブロウさんのおっちゃん的要素。

そして最後の。。。

正直にいうと、龍氏の真摯な姿勢が読むジブンのとって結構、ヘヴィな感も。

「5分後の世界」 「半島を出よ」は長編ながらもスーっと読み終えたものの。。

それでも最終章のアキラのリアルを見たときに、この作品に出会えてよかったと。

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