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「ヘヴン」 川上未映子著

Heavn 僕が文学というか小説に目覚めたのは16のころ。「ベッドタイムアイズ」でデビュー。その後、「ソウルミュージックラバーズオンリー 」で直木賞を受賞した山田詠美さんの作品をむさぼるように熱読したものです。

濃厚ながらも切なさと脆さが同時に進行する登場人物。黒人(ブラザー)との愛を描いた作品と同時に、「風葬の教室」、「放課後の音符」など学園での孤独感や疎外感を描いた作品も描写がリアル。

当時の僕としては、詠美さんのそのリアルな描写に魅せられながらも、そのリアルな表現に、耐えきれない感情や何故かその力量へに嫉妬を感じ少しずつ離れてゆきました。

今回、読み終えた川上未映子著の「ヘヴン」には、当時の詠美さんへと同じような感情が渦巻きました。

主人公の「僕」にジブンを重ねるのか、それともいじめグループながらもどこか、あさってを向いていて、理論的な百瀬を通して見るかによってこの作品から感じられることは変わってくるでしょう。

「僕」とクラスメイトで、女子からいじめられている少女のコジマ。

コジマと「僕」の奇妙な連帯感、恋愛感。

義理の母の前向きな明るさ。

何が正義で悪なのか。

メディアでいじめが取り上げられる時に、議題に上がるのは「いじめるほうが悪い」いや「されるほうにも問題がある」。

この「僕」とコジマには「受け入れる強さ」を共有して築きあげた連帯感と、「僕」がいじめの原因ととらえた斜視の手術をコジマに相談した時のコジマの憤り。すれ違い。

この作品は、いじめが題材ながらも、どんなひとにも共通する、孤独感、疎外感、そして希望と内面がリアルに描写された退廃美を表現された超力作と思いました。

この作品を読み、久々に、山田詠美の「トラッシュ」を読もうかと思ってます。

あと個人的に唸らされたのは、「僕」の斜視に関する表現です。

見え方や手術のことなど、元富士メガネ~眼科検査員のジブンにとって唸らされましたよ。

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